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メガネ(お金の話ばっかり)

先日、金子眼鏡にメガネを買いに行った。

以前何本か試着させてもらっていて、欲しいモデルは既に決まっていた。購入予定のそのモデルは39,600円と記憶していたはずが44,000円と書かれた値札がぶら下がっていた。記憶違いか値上がりかどちらか分からないが、想定より5,000円ほど多く支払うことがこのとき決定した。

多少うろたえたが買うことにした。度入りで使う予定だったので視力検査をしてもらった。検査の他にかけ具合の調整などもあって30分ぐらいはお店にいた。

検査と調整が終わって、あとはレンズを入れるだけという段階で担当してくれた店員さんがファイルを開き何か言いながらこちらに渡してきた。声の小さめな店員さんで、マスク着用ということもあって何を言っているかよく聞き取れなかった。

それはレンズの価格表だった。jinszoffといったファスト眼鏡屋の台頭によってレンズは元来有料だということをすっかり忘れていた。様々な種類×厚さのラインナップで選択肢は多いように見えたが最も安いレンズでも2万弱した。高価格帯のラインナップが豊富なだけだった。

もう心が折れそうだった。4万円のメガネを買う予定が4.4万円になり、しまいには6.4万円になろうとしていた(一番安いレンズで大丈夫だと思うと店員さんが言ってくれた)。

望んで買いに来たはずなのに、強奪されたような感覚に襲われ寂しくて心細い気持ちになった(まだ1円も払ってないのに!)。おれは恐る恐る店員さんに質問した。

「これって一旦伊達で使わせてもらって、後から度入りのレンズ入れてもらうことできますか?」

すると店員さんは優しく応えてくれた。

「そういうお客様もいらっしゃいますよ。視力検査のデータを保存しておくのでいつでもいらしてください」

高級メガネ屋のプライドからか余裕からか分からなかったが、グイグイこなかったので2万円を守り抜くことに成功した。この2万円を大切に抱えて帰ろうと決意した矢先、店員さんはまた何かを喋り始めた。説明はまだ終わっていなかった。

「伊達用のレンズっていうのがあって〜」

光の反射が違うのだというその伊達用のレンズを渋々購入した。3,300円だった。おれは合計で47,300円を支払った。